Study 6 「確率分析の手法」


ここまでで地雷のある/なしを確定できるものに関しての解法を考えてきましたが、 それでもどうにもならないものも多く存在します。しかし、確定できないからと言って そこで思考を止めてカンに頼ってよいのでしょうか?

実は、確定できないなりにも、比較的安全、危険な場所が存在するのです。 地雷のある確率を丁寧に計算することでわかります。そうすると、すぐカンに頼るよりは、 どういう場所が比較的安全なのかを知っておいたほうが、有利になるのではないでしょうか。

では、具体的にどのような場所が比較的安全なのでしょうか?それを考えるのが今後の 課題です。Study 6ではまず、確率分析のための手法を考えるのをテーマとします。

図のルール

これ以後、あり得る状態をすべて書き出して…とかいうことを頻繁に行います。 その書き出しを実際自分でしてみようとするとき、画像を使ってぐちゃぐちゃ手間取るよりも できるだけテキスト1文字で代替して表現してテキストエディタや表計算ソフトなどで考える方が 楽になります。そのため、このシンボルをこう表すという対応表を挙げておきます。 今後は図はすべてこの文字でもって表します。

枠、未確定領域
┌──┐
│  │
│  │
└──┘
数字と地雷
012345*

全パターンの書き出し

図1
残り6個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│    433*4***
│           *
└────────────

いろいろがんばってみたものの完全に行き詰まってしまった例、図1があります。 これ以上は決定させようがありません。

そこで、残っている6個の配置の可能性をすべて書き出してみましょう。 6つとも配置することで、確率の基本である、「同様に確からしい」ものを洗い出します。 可能性の探し方は、「ここに仮に地雷があったとしたら…こうなって、 次になかったとしたら…こうなる。」というように探していくと もれなく探せるでしょう。答えは、図2−1〜2−16の16種類あります。 ?が残り6個の地雷になります。

図2−1
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│?   ?? ?   *
└────────────
図2−2
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│ ?  ?? ?   *
└────────────
図2−3
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│  ? ?? ?   *
└────────────
図2−4
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│    ?? ?  ?*
└────────────
図2−5
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│?   ?? ?   *
└────────────
図2−6
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│ ?  ?? ?   *
└────────────
図2−7
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│  ? ?? ?   *
└────────────
図2−8
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│    ?? ?  ?*
└────────────
図2−9
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│   ?? ??   *
└────────────
図2−10
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│   ? ?? ?  *
└────────────
図2−11
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│   ? ??  ? *
└────────────
図2−12
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│? ? 433*4***
│   ??? ?   *
└────────────
図2−13
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│   ?? ??   *
└────────────
図2−14
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│   ? ?? ?  *
└────────────
図2−15
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│   ? ??  ? *
└────────────
図2−16
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ?? 433*4***
│   ??? ?   *
└────────────

では、これをぜんぶまとめて、各マスに地雷があるのは 16個のうち何種類か数えてみましょう。結果が図3になります。 若干図に無理がありますが。

図3
88214
22281214612222
図4
505012.587.5
12.512.512.5507587.537.57512.512.512.5

これで各マスの確率がわかります。この数を総数の16で割れば確率になります。 百分率(%)で表したものが図4になります。

もちろん、確率の低いところが、比較的安全なはずです。このように、確定できないマスにも 比較的地雷のありそうな場所、なさそうな場所があることがわかります。

ちなみに、このときの正解は、図2−16でした。 実際、地雷のあったところとなかったところの確率を書き出してみると、

となり、やはり確率の低いところが比較的安全なようです。

16パターンを書き出して確率を求めると、一番低い確率は12.5%であることがわかります。 そこで、その中でたとえば、右端のマスを空けて可能な限り手を進めると図5になり、 そして、次はこの結果と矛盾しない、 図2−1,2,3,5,6,7,9,12,13,16の10個について もう一度確率を計算します。すると各マスは図6のような確率になります。

図5
残り4個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│    433*4***
│    *  *324*
└────────────
図6
50502080
202020408020

次はやはり最低確率である20%のうち、たとえば左下隅を開けて、可能な限り手を進めると、 図7になります。これでもまだ適当なものが図2−3,7,12,16の4つ残っているので、 集計すると結果は図8となり、中央に100%,0%という並びがあるのでこれを処理すると図9になって、 あとはすべて50%の確率になってしまいます。

図7
残り4個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│    433*4***
│12  *  *324*
└────────────
図8
50505050
50501000
図9
残り3個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│    433*4***
│12  **3*324*
└────────────

こうなるともう勘の勝負になってしまいますが、 右上端を偶然開けて図10になったら、あとは普通に空けて 図11になって、このゲーム勝ちになります。たいへんな道のりでしたが、 12.5%, 20%, 50%という選択(生存確率:0.875×0.8×0.5=35%)は、 単純に均した確率である40%, 40%, 50%(生存確率:0.6×0.6×0.5=18%)と比べると、ほぼ倍になっています。

図10
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│   5433*4***
│12  **3*324*
└────────────
図11
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│2**5433*4***
│123***3*324*
└────────────

それにしても手間がかかります。もう少し楽にしたいところです。 しかも今回は16パターンの集計で済んだのですが、ちょっと大きくなると もう手におえないぐらい多そうです。そこで、少し簡略化する方法をいろいろ考えましょう。

隣接域のみの計算

図12
残り6個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│    433*4***
│・・・       ・*
└────────────

では、最初の16通りに戻ってみましょう。 ここで、何通りあるか調べるのに目印となるのは結局開いている数だけですから、 周りに何も目安のない場所、図12で・を付けたマスはカウントしないで、 他のところを先に配置してその余りをここに均等に配置するしかありません。 実際さっきの計算でもここはすべて12.5%でした。

そこで、残りのマス11個に関してのみ全パターンを書き出すと、10通り出てきます。 図13−1〜10です。

図13−1
残り1個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│・・・ ?? ?  ・*
└────────────
図13−2
残り1個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│・・・ ?? ?  ・*
└────────────
図13−3
残り0個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│・・・?? ??  ・*
└────────────
図13−4
残り0個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│・・・? ?? ? ・*
└────────────
図13−5
残り0個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│?  ?433*4***
│・・・? ??  ?・*
└────────────
図13−6
残り0個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│? ? 433*4***
│・・・??? ?  ・*
└────────────
図13−7
残り0個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│・・・?? ??  ・*
└────────────
図13−8
残り0個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│・・・? ?? ? ・*
└────────────
図13−9
残り0個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ? ?433*4***
│・・・? ??  ?・*
└────────────
図13−10
残り0個
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│ ?? 433*4***
│・・・??? ?  ・*
└────────────

このうち、図13−1,2には地雷が5個、残り8つには地雷が6個配置されています。 残りの地雷は6つなので、

a. 地雷が5個配置してあるパターンでは1つの地雷が残り4箇所にある確率が等しく、

b. 地雷が6個配置してあるパターンでは残り4箇所には地雷はありません。

すると、a. のときは1つの地雷を4箇所に配置する方法は4通り、 b. のときは一意に決まるので各1通りになります。 つまり、図13−1,2の旗の個数は4倍して計算し、 その他の旗の個数はそのまま足すと、図14の数が求まります。 また、パターンの総数は16通りなのですが、これもたとえば 左端の2に注目すると、その周りにある数が8+8=16、 一番右の4に注目しても、周りにある数が12+2+2=16、 その旗を挟んだ左の3の周りは14+6+12=32ですが、2つ地雷が未確定なので32/2=16、 というように、総数が16であるのがわかってもらえると思います。 なので、これを16で割れば図15のように確率がわかります。

残りの4箇所ですが、今わかっている確率をすべて足すと、 0.5 + 0.5 + 0.125 + 0.875 + 0.5 + 0.75 + 0.875 + 0.375 + 0.75 + 0.125 + 0.125 = 5.5 となって、5.5個の地雷が置いてあるのと同じになります。 そこで残りの0.5個の地雷を均等な確率で配置すると、 0.5/4=0.125 なので、残りの4箇所はやはりすべて12.5%であることがわかり、 これですべてのマスの確率が求まるわけです。

図14
88214
8121461222
図15
505012.587.5
507587.537.57512.512.5

分割その1

また最初の状態に戻ってみましょう。図16で青くした場所ですが、 ■を置いた未確定2マスの可能性を判断するものは、上の2しか手がかりがありません。 なので、この部分を分割して、図17の青い部分緑の部分で個別に計算することができるでしょう。

図16
│1235*3002*53
│**4*2114*6*
│■■  433*4***
│           *
└────────────
図17
│1235*3002*53
│2**4*2114*6*
│■■■■433*4***
│■■■■■■■■■■■*
└────────────

これらを別々に分析しましょう。すると、まず図17の青の部分では、 図18−1,2の2つの可能性しかありません。これから図19の確率もすぐわかります。 ここに必ず1つ地雷があるので、この数は6個から引いて、5個が青い部分以外の 場所にある地雷の個数になります。

図18−1
│123
│2**
│?  
│   
図18−2
│123
│2**
│ ? 
│   
図19
5050 
   

緑の場所で、数字隣接域のみの全パターンを書き出すと、図20−1〜5の5種類になりました。 図20−1のみ地雷を置いた数が1つ少ないので、数字に隣接しない場所が4つあり1つ地雷が余ることから、 数字の隣接しない場所のパターンは4つあり、よって図20−1のみ4倍し、 他はそのまま足すのでした。そうして数えると、図21になりました。

図20−1
235*3002*53
**4*2114*6*
  ?433*4***
   ?? ?   *
───────────
図20−2
235*3002*53
**4*2114*6*
  ?433*4***
  ?? ??   *
───────────
図20−3
235*3002*53
**4*2114*6*
  ?433*4***
  ? ??  ? *
───────────
図20−4
235*3002*53
**4*2114*6*
 ? 433*4***
  ??? ?   *
───────────
図20−5
235*3002*53
**4*2114*6*
  ?433*4***
  ? ?? ?  *
───────────
図21
 17
  4673611 
図22
 214
  8121461222 

最初の方法(図3)の同じ部分を抜き出したものが図22ですが、見事にすべて半分になっています。 というのも、これは図18−1,2で見た2つの可能性が独立に働いて、 そのまま2倍になっていただけだからなのです。

こうして、独立に計算できる部分を発見して、そこにある地雷の個数を引いて 他の場所を調べることで、ケース数は数分の1に減ります。

グループ化

図23を見てください。青い4は隣接域を3つ持っていますが、 その3つのうち、を置いた2箇所は4しかわかっている数字が周辺にありません。 つまり、この2箇所の条件は同じといえます。

よって、さきほどの図20−3,5はこの2箇所だけの差なので、 図24のように代わりにAと置いてみます。計算時には、?の数を2倍、Aはそのまま1つと数えます。

図23
235*3002*53
**4*2114*6*
   433****
       ■■ *
───────────
図24
235*3002*53
**4*2114*6*
  ?433*4***
  ? ?? AA *
───────────

いろいろ道具立てが揃ってきましたので、もう少し大きなものも調べやすくなりました。 では例を変えて図25で考えてみましょう。 ちょっと大きいですね。これを全パターン書き出すのは無茶ですが、 いままで考えたことを使って計算すれば比較的簡単に確率も求まるでしょう。 図26で青■の場所は分割その1で見たようなところですね。 よってここの2マスと地雷1個分はあらかじめ引いて計算します。 緑■の場所が2箇所ありますが、これは条件が同じで グループ化できるところなので、これを念頭に置いて数えます。

図25
残り15個
┌───────────
|         32
|         **
|         *4
|     *32**3
|     *2123*
|     320011
|  323*42111
|   12***11*
|   22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図26
残り15個
┌───────────
|        32
|        **
|      ■■ *4
|     *32**3
|     *2123*
|    320011
| 323*42111
|  12***11*
|   22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101

グループ化もしてすべて書き出した結果が図27−1〜8です。

図27−1
残り6個
┌───────────
|        32
|        **
|     ?  ?*4
|     *32**3
|     *2123*
| B? ?320011
| B323*42111
| B 12***11*
|? ?22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図27−2
残り7個
┌───────────
|        32
|        **
|      AA *4
|     *32**3
|     *2123*
| B? ?320011
| B323*42111
| B 12***11*
|? ?22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図27−3
残り6個
┌───────────
|        32
|        **
|     ?  ?*4
|     *32**3
|    ?*2123*
| B?? 320011
| B323*42111
| B 12***11*
|? ?22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図27−4
残り7個
┌───────────
|        32
|        **
|      AA *4
|     *32**3
|    ?*2123*
| B?? 320011
| B323*42111
| B 12***11*
|? ?22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図27−5
残り7個
┌───────────
|        32
|        **
|     ?  ?*4
|     *32**3
|     *2123*
| B  ?320011
| B323*42111
| B?12***11*
| ? 22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図27−6
残り8個
┌───────────
|        32
|        **
|      AA *4
|     *32**3
|     *2123*
| B  ?320011
| B323*42111
| B?12***11*
| ? 22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図27−7
残り7個
┌───────────
|        32
|        **
|     ?  ?*4
|     *32**3
|    ?*2123*
| B ? 320011
| B323*42111
| B?12***11*
| ? 22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図27−8
残り8個
┌───────────
|        32
|        **
|      AA *4
|     *32**3
|    ?*2123*
| B ? 320011
| B323*42111
| B?12***11*
| ? 22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101

図27−1,5はBに2つ地雷があるので3C2=3倍、図27−2,6は Bに2つ地雷がありAに1つあるので、3C2×2C1=6倍、 同様に図27−3,7は3倍、図27−4,8は6倍したものと考えます。

そして、次は残りの地雷を、数字の隣接しない場所に置いたときのパターンの数をかけなければいけません。 なので、残り地雷の数が同じものをさきにまとめておきます。 その数を数えたものが図28−1〜3です。

図28−1
残り6個
        
        
     6  6
     
    3
 3633
 3
 3 
6 6
図28−2
残り7個
        
        
     6666
     
    9
 91299
 9
 96
12612
図28−3
残り8個
        
        
      66 
     
    6
 6 66
 6
 612
 12 

分割その2

さて、ここでもう少し楽にする方法を考えてみましょう。求めたいのは図28−1〜3の数字なわけです。 そこで、図27−1と2、3と4、5と6、7と8を見比べてください。どれも右上の?  ?と AA が 違うだけで、他は同じですね。こう見ると、これもまた2箇所に分けて考えることもできそうです。

図29
┌───────────
|        32
|        **
|     ■■■■*4
|     *32**3
|    *2123*
| ■■■■320011
| 323*42111
| ■■12***11*
|■■■22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101

そこで、分割するエリアを示したものが図29になります。赤い場所が先ほど分割その1の節で 分けた場所で、が今回分割する領域です。これによって図27−1〜8も、図30−1,2と 図31−1〜4のようにまとめられることがわかるでしょう。

図30−1
┌───────────
|        32
|        **
|     ?  ?*4
|     *32**3
|     *2123*
図30−2
┌───────────
|        32
|        **
|      AA *4
|     *32**3
|     *2123*
図31−1
|     *32**3
|     *2123*
| B? ?320011
| B323*42111
| B 12***11*
|? ?22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図31−2
|     *32**3
|    ?*2123*
| B?? 320011
| B323*42111
| B 12***11*
|? ?22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図31−3
|     *32**3
|     *2123*
| B  ?320011
| B323*42111
| B?12***11*
| ? 22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図31−4
|     *32**3
|    ?*2123*
| B ? 320011
| B323*42111
| B?12***11*
| ? 22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101

これら2パターン×4パターンで、図27の8パターンが出るのがわかると思います。 具体的に集計する方法としては、図30−1では地雷を2つ、図30−2では1つ置いており、 また図31−1,2では6つ、図31−3,4では5つ置いています(Bの部分に置かれる 地雷の数に注意)。これらを組み合わせようとすると、

となって、図28−1〜3の集計が可能になるわけです。赤いの部分に 必ず1つある地雷を足して配置されるのがそれぞれ9,8,7個、それを全体の残り15個から 引いて、それぞれ残りが6,7,8個となるわけです。

残り個数の違うものの統合

とにかく図28−1〜3が求まったので、次はそれらを足して全体的なパターンの数を 求めたいです。図28−1〜3そのままでもよいのですが、ちょうどすべて数字が3の倍数に なっているので、すべて3で割ったものを図32−1〜3に掲載します。

図32−1
残り6個
        
        
     2  2
     
    1
 1211
 1
 1 
2 2
図32−2
残り7個
        
        
     2222
     
    3
 3433
 3
 32
424
図32−3
残り8個
        
        
      22 
     
    2
 2 22
 2
 24
 4 

さて、これらの残りを、数字に隣接しない領域に配置した時の場合の数を求めましょう。 求まった場合の数をそれぞれの状態の個数に掛けて、合計すれば全体の場合の数が求まるでしょう。 まず、いずれの場合も数字に隣接しない領域は33マスあります。残りが6個の時は、 33マスの中に等しい確率で地雷が6つあるので、33C6個の場合があるでしょう。 同様に残りが7個なら33C7個、残りが8個なら33C8個 あります。

これを真面目に計算すると非常に大きい数になります。 しかし、この数を正確に計算する必要はありません。 結局は割合が求まればよいので、それぞれの比で代用してよいことがわかります。そこで、

33C6:33C7:33C8
=(33×32×31×30×29×28)/(6×5×4×3×2×1):(33×32×31×30×29×28×27)/(7×6×5×4×3×2×1): (33×32×31×30×29×28×27×26)/(8×7×6×5×4×3×2×1)
=1/1:27/7:(27×26)/(8×7)
=(8×7):(27×8):(27×26)
=(4×7):(27×4):(27×13)
=28:108:351

となるので、残りが6個のものはそれぞれ28倍、残りが7個のものはそれぞれ108倍、 残りが8個のものはそれぞれ351倍して、足しあわせればよいことになります。その結果を 図33に示しました。

図33
        
        
     272918918272
     
    1054
 105448810541054
 1054
 10541620
4881620488

全パターン数は2108あることになります。 図33の青い■の部分は50%の確率であることはすぐわかりますので、 ここにはそれぞれ1054という数が入っているのと同じになります。 そして、これらの数を2108で割ると確率が求まります(図34は100倍して%にし、整数に丸めてあります)。

図34
        50
        50
     13444413
     
    50
 50235050
 50
 5077
237723

残る数字と隣接しないマスについても考えましょう。図33で2つの青い■の分も含め、出ている数字を 足すと、全部で15516になります。これを2108で割った7.36個がすでに置いてある個数と考えられます。 なのでこれを15から引いた7.64個が残りの部分(33マス)にある地雷の個数と考えられます。 つまり、7.64/33≒0.23、23%が残りの部分の確率になります。

図35
232323232323232350
232323232323232350
232323232313444413
2323232323
2323232350
2350235050
2350
235077
237723

図35で、図25よりの確率計算は完了です。このぐらい大きなものも比較的簡単に計算できるようになりました。

この結果には面白い点が含まれています。それは、適当に広いところを開けるよりも 数字に隣接する部分により確率の低い部分が出現しうるということです。 広い部分では23%ですが、それよりも小さい13%という値が出ています。 確率を見るならば13%という最も小さい値のところを開けるのが安全ではないでしょうか。 最善の手と言えるかはわかりませんが…。

このように、詰まったときもこうした最も確率の低い部分を選んで開けていけば、 比較的安全に進められるはずです。しかし、確率を毎回詰まる度に計算するのは非常に効率が悪いです。 (詰まった瞬間にスクリーンをキャプチャし最小化、 グラフィックビューアに貼り付けて確率を計算し次の手を決め、画面を元に戻して再開、とすることで タイムロスは最小限に食い止められますが。)そこで確率計算の実用的な応用を考えるのが次のStudy 7になります。

それと、手計算はやはり非常にめんどくさいものがあるので、 確率を計算するプログラムを書きました。 Study 7ではこれを主な道具としていきます。

Study 7に入る前に計算練習のしたい方のために、図36〜40に図35後の経過を 問題として、解答とともに示します。(繰り返しますが、確率の低いところを選んでいるだけで、 別に最善の手とは限りません。)

図36
残り15個
┌───────────
|         32
|         **
|     4  6*4
|     *32**3
|     *2123*
|     320011
|  323*42111
|   12***11*
|   22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図37
18181818181818189
181818185151515591
18181818514555
1818181851
1818181850
1850185050
1850
185082
188218


図38
残り14個
┌───────────
|        332
|        ***
|     4  6*4
|     *32**3
|     *2123*
|     320011
|  323*42111
|   12***11*
|   22243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図39
1818181818181818
1818181844444482
18181818448218
1818181844
1818181850
1850185050
1850
185082
188218

左下隅の18%を開けて続き

図40
残り11個
┌───────────
|        332
|        ***
|     4  6*4
|     *32**3
|     *2123*
|  2  320011
|23323*42111
|2**12***11*
|3*522243212
|2*4*212*101
|224*22*3101
図41
1818181818181818
1818181844444482
18181818448218
1818181844
1833333318
18821882

左下隅の18%を開けて続き

図42
残り6個
┌───────────
|        332
|        ***
|  *  4  6*4
|24333*32**3
|*3*23*2123*
|2*22*320011
|23323*42111
|2**12***11*
図43
88888888
888838383892
892892928

右下隅の8%を開けると完成

図44
残り0個
┌―――――――――――
|01110123332
|13*313*****
|1**3*4*56*4
|24333*32**3
|*3*23*2123*
|2*22*320011
|23323*42111
|2**12***11*
|3*522243212
|2*4*212*101
|224*22*3101