パズル的マインスイーパ攻略法研究

目次

  1. はじめに
  2. Study 1 「どっちにあるかわからないけれど」
  3. Study 2 「パターン化して覚えよう」
  4. Study 3 「どれかが間違っている」
  5. Study 4 「応用のいろいろ」
  6. Study 5 「推定の連続」
  7. Study 6 「確率分析の手法」
  8. Study 7 「確率分析からの知見」
  9. 暫定版あとがき
  10. 補論 「Study 1〜5実用のためのマウスさばき」
  11. 参考 マインスイーパ確率解析(Softwareカテゴリ)

おおよそタイトルの硬さと内容のマニアックさが比例します。 不要だと思えばそこで読むのをやめてもらっていいでしょう。


はじめに

Windowsに付属でついてくるマインスイーパというゲームがあります。 ハマる人には熱狂的に支持されているゲームです。 Windows 3.1時代からあり、Windowsが普及したのがWindows 95=1995年ですから、 これを書いている時点で10年程度は経っていますが、 未だに人気を保っていることからもそのおもしろさがうかがえるでしょう。 マインスイーパの何がおもしろいかというと、頭を使って解くパズルとしての側面と、 時間を競うアクションとしての側面がうまいこと組み合わさっていることではないでしょうか。

マインスイーパは初級・中級・上級の各盤面での最速タイムを記録するようになっているため、 当然各盤面をいかに速く解くかというのが攻略の目的になります。 ここで、攻略の具体的なアプローチとして、大きく2種類あるように思えます。 1つは「速く」する攻略です。アクションとしてマインスイーパをとらえるアプローチとも言えます。 反応性のよいマウスを使う、旗はできることなら立てない、決断は0.5秒以下、 …などとこちらにもいろいろ考えることがあります。このアプローチでの攻略は、 マインスイーパー研究室さんが詳しいでしょう。 (いつの間にかサイトが消えていたのでInternet Archiveにリンクを貼りました。)

2つ目の攻略のアプローチとして、「解く」攻略があります。 パズルとしてマインスイーパをとらえるアプローチとも言えます。 「1の周りには必ず1つ地雷があって、0個でも2個以上でもない」というのは解くときの基本的な考えですが、 この考えだけではどうにもならないこともある、と中級以上を何回もやったことのある人なら感じていると思います。 上級をやりこむと、どう考えても決まらない盤面にも頻繁に出くわすようになってくるでしょう。 解けないときには地雷を踏むのを覚悟でいいかげんにどこか開けることになりますが、 せっかく好記録が出そうなのに解けなくなったときに適当に開けて地雷を踏んでおじゃんになることもあるでしょう。 または、例えばですが、成功率が10%で最速タイムを競うのと、 成功率が50%で最速タイムを競うのでは圧倒的に後者のが有利でしょう。 こうして考えると、成功率を上げる方法としての攻略、つまり「解く」ための攻略も必要になってくるわけです。

ここでは、2つ目の観点での攻略、つまりマインスイーパのパズルの側面に注目して、 極限まで頭を使った攻略を目指します。パズル、といってもここでは非常に基本的な考え方からは解説しません。 中級程度ならそれなりにクリアできる人以上を対象に、 「こんな考え方もできるんだ」というのを発見していただけたら、と思います。

例えば、このような状況に遭遇したことはないでしょうか?

手詰まり例

「1の周りには必ず1つ地雷がある」などといった基本的な考え方だけではここから先へは進めません。 しかし、もう少し丁寧に考えればこれが下のように解ける形であることが見抜けます。

解

どうやって考えたらよいのでしょうか?まずはその考え方を解説していきたいと思います。 そんなこと既にわかってる、という人はStudy 6ぐらいからが面白いかもしれません。