DOM Level 2 リファレンス (Events)

EventListener

イベントを取り扱うもの。ECMAScriptではイベント発火時に呼び出される関数型の変数がこの役割を果たす。Nodeインタフェース(イベントターゲット)のaddEventListenerメソッドを使用してリスナを登録する。リスナの使用が完了した後にはリスナをノードから取り除くことが望ましい。

HTML 4.0との互換性のために、イベントハンドラを表現するHTMLの属性の設定(on...属性)をそのノード上のEventListenerの生成及び登録として見なしてよい。このとき、useCaptureの値はfalseであるものと見なす。イベントリスナを表現する属性が変更される場合には、以前に登録されたEventListenerが取り除かれ新しいものが登録されると見なしてよい。

EventListenerのサンプル

メソッド・属性名 解説 引数の型
handleEvent(evt) void 登録された型のイベントが発生するときにはいつでも呼び出される Event

Event

イベントについての文脈情報を提供するために使用する。

メソッド・属性名 解説
type DOMString イベントの(大文字・小文字を区別しない)名前。名前はXMLの名前でなければならない。
target Node イベントが最初に送り付けられたターゲットであるノードを示す
currentTarget Node EventListenerが現在処理中であるターゲットであるノードを示す
eventPhase unsigned short イベントフローのどの段階が現在評価されているかを示す。1 = CAPTURING_PHASE [捕獲段階], 2 = AT_TARGET [ターゲットで評価されている], 3 = BUBBLING_PHASE [バブル動作段階]
bubbles boolean イベントがバブル動作可能な場合にはtrue
cancelable boolean イベントがそのデフォルト動作を起こさないことが可能な場合にはtrue
timeStamp DOMTimeStamp イベントが生成された時間を(その基準時点に相対的なミリ秒単位で)指定する
stopPropagation() void イベントフロー中にイベントの更なる伝播を起こさないために使用する。このメソッドがEventListenerによって呼び出される場合には,イベントは木に沿っての伝播を止める。イベントは,イベントフローが停止する前に,現在のEventTarget上のすべてのリスナに完全に送り付けられる。
preventDefault() void イベントが取消し可能な場合,そのイベントを取り消すことが望ましいことを示す。これは,そのイベントの結果としての実装がとる通常のデフォルト動作が発生しないことを意味する。イベントフローの段階中に,preventDefaultメソッドが呼び出される場合には,そのイベントは取り消される。
メソッド・属性名 解説 第1引数の型 第2引数の型 第3引数の型
initEvent(eventTypeArg, canBubbleArg, cancelableArg) void ドキュメントを通じて生成されたEventの値を初期化する。このメソッドは、EventがNodeインタフェースのdispatchEventメソッド経由で送信される前にのみ呼ばれうる。 DOMString boolean boolean

UIEvent

利用者インタフェースイベントに関連する特定の文脈情報を提供する

継承:Event

メソッド・属性名 解説
view AbstractView イベントが生成されたAbstractViewを識別する
detail long イベントの型に依存して,Eventについての詳細情報を指定する
メソッド・属性名 解説 第1引数の型 第2引数の型 第3引数の型 第4引数の型 第5引数の型
initUIEvent(typeArg, canBubbleArg, cancelableArg, viewArg, detailArg) void ドキュメントを通じて生成されたUIEventの値を初期化する。このメソッドは、UIEventがNodeインタフェースのdispatchEventメソッド経由で送信される前にのみ呼ばれうる。 DOMString boolean boolean AbstractView long
イベント型(DOMString) 解説 canBubble canCancelable context info
DOMFocusIn ノードがフォーカスを受け取る場合に発生する Yes No None
DOMFocusOut ノードがフォーカスを失う場合に発生する Yes No None
DOMActivate マウスのクリック又は(キーボードの)キーの押込みを通して要素が活性化される場合に発生する。 Yes Yes detail (数値:1回クリック又はEnterといった単純な活性化に対しては1、2回クリック又はShift+Enterといった高度な活性化に対しては2)

MouseEvent

利用者インタフェースイベントに関連する特定の文脈情報を提供する

継承:UIEvent - Event

メソッド・属性名 解説
screenX long スクリーン座標系の原点に相対的な,イベントが発生した位置の左右方向の座標
screenY long スクリーン座標系の原点に相対的な,イベントが発生した位置の上下方向の座標
clientX long DOM実装のクライアント領域に相対的な,イベントが発生した位置の左右方向の座標
clientY long DOM実装のクライアント領域に相対的な,イベントが発生した位置の上下方向の座標
ctrlKey boolean イベントの発火の最中に'ctrl'キーが押し下げられたかどうかを示す
shiftKey boolean イベントの発火の最中に'shift'キーが押し下げられたかどうかを示す
altKey boolean イベントの発火の最中に'alt'キーが押し下げられたかどうかを示す(キーボードによっては名前が異なる)
metaKey boolean イベントの発火の最中に'meta'キーが押し下げられたかどうかを示す(キーボードによっては名前が異なる)
button unsigned short マウスボタンを押す・放すイベント動作中に,どのマウスボタンが状態を変えたかを示す。マウスの左ボタンが0,中央ボタンが1,右ボタンが2。(左利き用の場合反転する)
relatedTarget Node (EventTarget) UIイベントに関係する補助的なイベントターゲットを識別する。 現時点では,この属性は,mouseoverイベントとともに使用する時はマウスポインタが抜け出してきたEventTargetを示し,mouseoutイベントとともに使用する時はマウスポインタが入っていたEventTargetを示す。
メソッド・属性名 解説 第1引数の型 第2引数の型 第3引数の型 第4引数の型 第5引数の型 第6引数の型 第7引数の型 第8引数の型 第9引数の型 第10引数の型 第11引数の型 第12引数の型 第13引数の型 第14引数の型 第15引数の型
initMouseEvent(typeArg, canBubbleArg, cancelableArg, viewArg, detailArg, screenXArg, screenYArg, clientXArg, clientYArg, ctrlKeyArg, altKeyArg, shiftKeyArg, metaKeyArg, buttonArg, relatedTargetArg) void ドキュメントを通じて生成されたMouseEventの値を初期化する。このメソッドは、MouseEventがNodeインタフェースのdispatchEventメソッド経由で送信される前にのみ呼ばれうる。 DOMString boolean boolean AbstractView long long long long long boolean boolean boolean boolean unsigned short Node (EventTarget)
イベント型(DOMString) 解説 canBubble canCancelable context info
click マウスのボタンが要素上でクリックされるときに発生する。clickは,同じスクリーン位置上でのmousedown及びmouseupとして定義される。イベントは、mousedown, mouseup, clickの順に発生する。同じスクリーン位置で複数のクリックが発生する場合には,この列を繰り返し,各繰返しでdetail属性を増加する。 Yes Yes screenX, screenY, clientX, clientY, altKey, ctrlKey, shiftKey, metaKey, button, detail
mousedown マウスのボタンが要素上で押し下げられるときに発生する。 Yes Yes screenX, screenY, clientX, clientY, altKey, ctrlKey, shiftKey, metaKey, button, detail
mouseup マウスのボタンが要素上で解放されるときに発生する。 Yes Yes screenX, screenY, clientX, clientY, altKey, ctrlKey, shiftKey, metaKey, button, detail
mouseover マウスのボタンが要素上へと移動されるときに発生する。relatedTargetは,指示装置が抜け出そうとしているイベントターゲットを示す。 Yes Yes screenX, screenY, clientX, clientY, altKey, ctrlKey, shiftKey, metaKey, relatedTarget
mousemove マウスのボタンが要素上にある間に移動されるときに発生する。 Yes Yes screenX, screenY, clientX, clientY, altKey, ctrlKey, shiftKey, metaKey
mouseout マウスのボタンが要素から離れて移動されるときに発生する。relatedTargetは,指示装置が入ろうとしているイベントターゲットを示す。 Yes Yes screenX, screenY, clientX, clientY, altKey, ctrlKey, shiftKey, metaKey, relatedTarget

MutationEvent

文書構造の変更に関連する特定の文脈情報を提供する

継承:Event

メソッド・属性名 解説
relatedNode Node 変異イベントに関係する補助的なノードを識別するために使用する。例えば、親が変更されたことを示すためにあるノードに変異イベントが送り付けられる場合、この値はその変更された親とする。ノードがある部分木の内部で変更されたことを示すためにその部分木にイベントが送り付けられる場合には、この値はその変更されたノードとする。DOMAttrModifiedイベントの場合には,この値は修正・追加・除去されたAttrノードとする。
prevValue DOMString DOMAttrModifiedイベントにおけるAttrノードの以前の値、またはDOMCharacterDataModifiedイベントにおけるCharacterDataノードの以前の値
newValue DOMString DOMAttrModifiedイベントにおけるAttrノードの新しい値、またはDOMCharacterDataModifiedイベントにおけるCharacterDataノードの新しい値
attrName DOMString DOMAttrModifiedイベントにおける変更されたAttrの名前
attrChange unsigned short DOMAttrModifiedイベントを誘発した変更の型。1 = MODIFICATION [適切な箇所で修正された], 2 = ADDITION [単に追加された], 3 = REMOVAL [単に取り除かれた]。
メソッド・属性名 解説 第1引数の型 第2引数の型 第3引数の型 第4引数の型 第5引数の型 第6引数の型 第7引数の型 第8引数の型
initMutationEvent(typeArg, canBubbleArg, cancelableArg, relatedNodeArg, prevValueArg, newValueArg, attrNameArg, attrChangeArg) void ドキュメントを通じて生成されたMutationEventの値を初期化する。このメソッドは、MutationEventがNodeインタフェースのdispatchEventメソッド経由で送信される前にのみ呼ばれうる。 DOMString boolean boolean Node DOMString DOMString DOMString unsigned short
イベント型(DOMString) 解説 canBubble canCancelable context info
DOMSubtreeModified 文書へのすべての変更の通知のための一般的なイベントとする。以下に一覧で示すより特定のイベントの代わりに使用できる。 Yes No None
DOMNodeInserted ノードが他のノードの子として追加された場合に発火する。このイベントのターゲットは挿入されつつあるノード。挿入が発生した後にイベントが送り付けられる。 Yes No relatedNode(親ノード)
DOMNodeRemoved ノードがその親ノードから取り除かれつつある場合に発火する。このイベントのターゲットは取り除かれつつあるノード。ノードが木から取り除かれる前にイベントが送り付けられる。 Yes No relatedNode(親ノード)
DOMNodeRemovedFromDocument ノードの直接の除去又はそれを含む部分木の除去のどちらかによって、ノードが文書から取り除かれつつある場合に発火する。このイベントのターゲットは取り除かれつつあるノード。ノードが直接に取り除かれつつある場合はこのイベントの前にDOMNodeRemovedイベントが発火する。除去が行われる前にイベントが送り付けられる。 Yes No None
DOMNodeInsertedIntoDocument ノードの直接の挿入又はそれを含む部分木の挿入のどちらかによって、ノードが文書に挿入されつつある場合に発火する。このイベントのターゲットは挿入されつつあるノード。ノードが直接に挿入されつつある場合には,このイベントの前にDOMNodeInsertedイベントが発火する。挿入が行われる前にイベントが送り付けられる。 Yes No None
DOMAttrModified ノード上でAttrが修正された後に発火する。このイベントのターゲットはAttrが変更されたノード。 Yes No attrName, attrChange, prevValue, newValue, relatedNode
DOMCharacterDataModified ノード内のCharacterDataが修正されたがそのノードそれ自体は挿入も削除もされていない場合に発火する。このイベントは,Processing Instructionへの修正によっても誘発される。このイベントのターゲットはCharacterDataノードとする。 Yes No relatedNode(親ノード)

HTMLEvent

HTML 4.0で示されたイベント、DOM level 0ブラウザでサポートされる付加的なイベント

継承:Event

イベント型(DOMString) 解説 canBubble canCancelable context info
load 文書のすべての内容,frameset要素内のすべてのフレームやobject要素のロードを終了したときに発生する。 No No None
unload ウィンドウ又はフレームから文書を取り除く場合に発生する。body, frameset要素に対して有効。 No No None
abort 画像が完全にロード可能となる前にページのロードが停止される場合に発生する。object要素に対して有効。 Yes No None
error 画像が適切にロードされない,又はスクリプト実行中にエラーが生じる場合に発生する。object, body, frameset要素に対して有効。 Yes No None
select 利用者がテキストフィールドの中のあるテキストを選択する場合に発生する。input, textarea要素に対して有効。 Yes No None
change フォームコントロールがフォーカスを失い、かつその内容が変更されている場合に発生する。input, select, textarea要素に対して有効。 Yes No None
submit フォームが提出された場合に発生する。form要素に対して有効。 Yes No None
reset フォームが再設定される場合に発生する。form要素に対して有効。 Yes No None
focus マウスやキーボード操作で要素がフォーカスを受け取る場合に発生する。label, input, select, textarea. button要素に対して有効。 No No None
blur マウスやキーボード操作で要素がフォーカスを失う場合に発生する。label, input, select, textarea. button要素に対して有効。 No No None
resize 文書ビューが大きさの再設定をされる場合に発生する。 Yes No None
scroll 文書ビューがスクロールされる場合に発生する。 Yes No None